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【UTMF 企画vol.8】練習でのトラブルと在宅ワークの凝りを改善するNew-HALEテーピング&ケア

新型コロナ騒動で4月17日に緊急事態宣言が全国に発出され、もうすぐ3週間になります。国内外のレースは次々と中止となり、エントリーも見送りとなっています。この予想もできなかった事態に、モチベーションが下がって全然走らなくなってしまったという人もいるでしょう。会社を休めない人は電車やバスを避けて通勤ランになった人もいるでしょう。在宅勤務で通勤時間分が空いて、トレーニングの時間が以前より増えたという人もいるかもしれません。いずれにしても先行きが見えないなかで迎えた「UTMFだったはずの週末」みなさんはどのように過ごしましたか。

本企画は4月末で終わりを迎えるにあたり、「オンライン形式」で最後のコーチングを行いました。いよいよ、ニューハレ テーピング講座です。ニューハレの主催なのに、いままでほとんどニューハレテープが出てこないという気宇な企画でしたが、2人の悩みをどのように解決してきたかというレポートとレースで使えるテーピングテクニックの2回に分けて紹介します。

ニューハレテープは何がどう違うのか

そもそもニューハレとは何なのか。そして、今や数あるテーピングテープの中で何が違って、なぜ選んでほしいのか。なかなか語る機会のない“見えない”部分。「どれもおなじ」でないことを少し紹介させてください。創業は1914年、実は100年以上も続く老舗です。現在の伸縮テーピングテープを医療向けに開発したのは1974年。ハサミを使わないプレカットタイプを2004年に開発し、スポーツ用として展開するようになったのは2006年。日本ではトレイルランニングは黎明期よりもまだ少し前といった時代です。

現在展開しているのは固定するSK、運動時の筋肉や関節をサポートするAKTの2種類。おそらくみなさんに馴染みがある商品で言うならば、XテープはSK、VテープはAKTです。

 

SK=Support(固定力)Keep(維持)
AKT=Absolute(完全な・徹底的な)Kinesiology(運動科学)Tape(テープ)
スポーツ用テーピングテープとしての特徴を語る上で、特に重要なポイントは伸縮性。なぜなら、皮膚や筋肉の動きに合せてテープも伸び縮みしながら保持しなければなりません。ニューハレテープの表面は柔らかなコットンのような肌触りです。これは、ポリウレタン弾性素材「LYCRA®」を芯に、コットンでカバーする製法を用いているため、コットンのソフトな風合いを持っています。

また、肌に直接貼るものとして『かぶれ』については徹底的にこだわっています。溶剤の残留を無くすこと(テープの臭いを嗅いでも、糊の嫌な臭いが無いです!)、皮膚科の専門医いわく「かぶれ」の原因は通気性用よりも肌刺激。スジ状の糊を使わずにフラットな糊加工にすることで、接地面積を増やして力のかかり具合を分散させ、皮膚への刺激を少なくします。糊材には、超低刺激で添加物無使用のアクリル系樹脂を使用し、化学製品アレルギーを極力起こさないようにしています。そして、織布、製造、染色、カットなどのすべての工程を日本国内の工場で行っています。徹底した品質管理と安定した製造ラインで医療現場にも採用されているのがニューハレの特徴のひとつです。

いかがでしょうか、今までなんとなく手に取っていただいていた人も、色々なメーカーを使っているよという人も、ニューハレに興味を持っていただけたでしょうか。

みんなが通る道?“ランナーあるある”を解決しよう

さて、本題です。IKUKOとHIROKIの2人は、5ヶ月でしっかりと成長するためにほぼ毎日のトレーニングを熟してきました。そのなかで、身体のトラブルが一切なかったわけではありません。Tomoコーチは故障や故障になりそうな違和感、不調を「トランジション」と呼んでいます。今まで以上に練習を積み、強くなっていく過程で身体に負担がかかるのはどうしても避けられないといいます。つまり、トランジション=過渡期・移行期・変化として重要な時期だと捉えています。しかし、故障してしまっては懸命に取り組んできたトレーニングが台無しです。Tomoコーチから日々言われていたこと。

「自分の身体の声を良く聞いて」

身体の不調にはいち早く気付き、故障に発展しないようにトレーニングメニューを調整すると共に、適切なケアをしながら足を止めずにレベルアップしていく。コーチ陣曰く、2人が出遭った違和感はいかにもランナーあるあると言えるものでした。

トラブル1:傾斜を付けたトレッドミルや峠走・スピード練などの高負荷練で、ふくらはぎが痛む

トレーニングを始めたばかりの頃、IKUKOの練習メニューはトレッドミルで傾斜を付けて走る練習でした。最大15%まで上げて、速度はゆっくりでも歩きではなく走ること。しかし、今まで坂道という坂道をほとんど歩いていたIKUKOにとっては強度が高く、筋力も弱くふくらはぎの疲労が蓄積して違和感に繋がっていました。また、気付きにくい点として「大きな筋肉を使えず、膝下を使って走っている」ことも挙げられます。大きな筋肉を使って走るフォームが身に付いていないままに傾斜走やスピード練をすることで陥りやすいトラブルです。

疲労で凝り固まった筋膜や筋肉をテーピングで緩めます。

フクラハギ(アキレス腱)

 トラブル2:ひさびさに走ったら、スネ(外側)に違和感を感じるようになった

ランナーによるあるトラブルのひとつ、いわゆる「シンスプリント」は親指の付け根(母趾球)を使いすぎて脛(すね)の内側の違和感に繋がっていることが多いと言えます。その逆で、小指側の着地に偏っている、傾いていると外側に負荷がかかります(この筋肉は足裏へ繋がっている)。また、つま先が上がってかかと着地になると外側の筋肉である腓骨筋(ひこつきん)が疲れやすくなります。久しぶりに走ってかかと着地で衝撃がかかっていませんか?IKUKOの場合、あぐらをかく癖で股関節が開いてバランスが崩れていること、座り方によって骨盤が後傾し、かかと着地が助長されている可能性があります。

<すねの外側(上部)の貼り方>

  1. つま先を上げ、スネの筋肉を伸ばす
  2. 膝外側、ちょっと下あたりの触るとコリコリした骨をチェック
  3. 骨をスタート地点として、押して違和感のあるところをたどって、テープは伸ばさずに貼る

<すねの外側(中央~下部)・シンスプリントの場合>
※写真は内側ですが、外側も同様に貼ります。

シンスプリント


トラブル3:練習量(距離)が伸びてくると、足の裏に違和感がある(足底筋膜炎・シンスプリント

足裏の違和感としてランナーに良くあるトラブルは足底筋膜炎。でも、本当にそれは足底筋膜炎でしょうか?意外と多いのは、シンスプリントによる影響です。スネの筋肉は足裏に繋がっていて、スネの疲労や故障が足裏にも出ている可能性があります。土踏まずからカカト周辺に違和感がある場合には、スネ周りを疑ってみましょう。トラブル1のケアを施して調子をみてみると良いでしょう。なお、足底のテーピングは以下の5種を違和感を感じる場所に合せて参考にしましょう。

<足底の貼り方(縦アーチ・横アーチ)>
土踏まずのアーチアップ https://www.new-hale.com/howto/204
・歩くと足裏がひびくときに https://www.new-hale.com/howto/202
・足の甲前方や足底前方の着地クッションに https://www.new-hale.com/howto/200
・着地するときに感じるカカト(足の裏側)の違和感に https://www.new-hale.com/howto/186
・着地クッションと足底横アーチのサポート https://www.new-hale.com/howto/394

トラブル4:蹴り出す時にひざ裏の外側に痛みがある

ひざ裏が張る、これもよくある悩みです。どうやら、HIROKIはハムストリングスの外側(大腿二頭筋)の疲労が蓄積している様子。立ったまま貼る方法もありますが、おすすめは椅子に座って貼ること。テープを貼る時は背筋を伸ばし、足を前に出し、つま先を上げることでハムストリングスが伸びた状態をつくることができます。

ハムストリングスからヒザ裏(外側)

<ハムストリングスの簡単ストレッチ>

  1. 片方の足を一歩前に出し、お尻を引いてつま先を上げる
  2. つま先を内側に向ける(内旋させる)
  3. 背筋は伸ばしたまま上半身をたおして前屈する
  4. 伸ばした足と逆の手で足の小指を触ると外側が伸びます

 

トラブル5:疲労の蓄積?走りすぎて膝の右内側に違和感あり

「この膝痛はおそらくトラブル4のハムストリングの疲労が原因ですね!」膝のトラブルを抱えるランナーは多いですが、膝はたくさんの筋肉が集まるつなぎ目にあたる部分であり、膝そのものが問題である以外にも違和感の原因は様々です。膝が痛い、膝が痛いと悩んでいる人がその原因となる部分をケアすることで改善することもあります。HIROKIの場合、トラブル4のひざ裏の違和感とひざ前側の違和感がちょうど対角線上にあります。そのため、まずはトラブル4のテーピングやコンディショニングでハムストリングスをほぐすことから始めましょう。それでも違和感がある場合は、「ほうこう筋」と言われるところにテーピングを施します。いわゆる鵞足炎(がそく炎)というトラブルです。

ヒザ内側(ほうこう筋)

Special!在宅ワーク(テレワーク)によるカラダの凝りをほぐす簡単ストレッチ&マッサージ

トレーニングはケアをしながら順調に進めていたはずが、4月になって急に2人に襲ったトラブル、それは「腰痛」です。2人共に在宅ワーク(テレワーク)になり、まだ自宅での仕事環境が整わず、とりあえず自宅にある机や椅子で毎日何時間も仕事をしています。会議もオンライン、同僚に声をかけに行くといった動きもなく、ずっと座りっぱなし。なんとHIROKIは、キャンプ用の椅子を使っているのだとか。「腰が沈んでしまうので、腰・背中が痛い」と訴えていますが、足を畳んで長時間座っていることでハムストリングスが縮んだままになっていて、脚のトラブルにも繋がりかねません。IKUKOは、リビングのソファにあぐらをかいて仕事。「毎日仕事が終わる頃にはぎっくり腰寸前というくらい腰がいたい!」のだとか。

「あちゃ~、在宅ワークは身体のトラブル製造機ですね」という芥田。腰に負担がかかりすぎるとぎっくり腰になってしまうことも。低い椅子や机、ノートパソコンで仕事をしていると猫背になります。背中が丸まっていると、胸椎が丸まって肩甲骨が開き、腕や肩の動きが悪くなります。塙コーチに、コロナ禍による在宅ワークの疲れをほぐす簡単コンディショニングを教わりました!

背中・腰

  1. ローラーの上に両肘をのせる(ローラーがなければ、ストレッチポールや椅子でもOK!)
  2. 手で肩を触る(キツい場合は手のひらを上にして両手を伸ばしてもOK)
  3. お尻を後ろにひきながら、みぞおちから下にグーッとおろす
  4. ローラーを前後に転がすとさらに伸びる

※ローラーマッサージャーの場合
後ろ手にマッサージャーを肘で支え、上半身を旋回させたり、ローラーを上下に動かす。ローラーの方がほぐれますが、家にある“棒っぽいもの”なら代用できます。

股関節

腰や背中の痛みは股関節が硬くなっている場合もあります。股関節の柔軟性を高めたり、股関節周りの筋肉をほぐしてみましょう。赤い丸印は、外側の足の付け根のあたり「大腿筋膜張筋」。大腿筋膜張筋は腸脛靭帯に繋がっている部分。腸脛靭帯炎(ランナーズニー)もランナーあるあるですね。ここをローラーマッサージャーかスパイキーマッサージボールでグリグリほぐしましょう!股関節周りがぐっと楽になるはず。

  1. たてひざをして足を肩幅よりすこし広めに開く
  2. “背筋はまっすぐ”のまま、ひざを倒す。膝の内側が床に付くかチェック
  3. 左右両方やってみましょう!背筋が曲がっていると膝が床に付かないのです

身体の左右差を整えるニューハレ体操

まずは、イスに座って腰をひねり、旋回しやすい・しにくいをチェック。左右差がある場合は、走る時に左右のどちらかに強く力が入っている可能性があります。また、在宅勤務で無理な体勢(あぐらなど)によって歪んでいる場合もあります。これが腰から下のトラブルに繋がっている場合もあります。旋回しにくいほうをより多くストレッチの時間をかけてケアしていきましょう。さまざまなトラブルの原因を突き詰めていくと、どうやら日常の曲や仕事での姿勢の悪さなどといった日頃からの体の歪みが影響し、運動する際にバランスが崩れてトラブルが発生する傾向にあります。とてもシンプルで立ったままできるストレッチ、誰もが覚えやすい三つの大きな動きで日常から左右のバランスを整えましょう!

次回は、レースで使えるテーピングテクニック5種を紹介します。お楽しみに!

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