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山本 健一 / KENICHI YAMAMOTO(2)僕にとってのトレイルランの心地よさ

■トレイルランの魅力は人との繋がり

トレイルランレースの存在を知ったのは、24歳のときです。たまたまジョギング中に知り合った男性に「山のレースがあるから、出場してみないか?」と誘われたのが、日本山岳耐久レース(ハセツネ)でした。

翌2004年に初めてハセツネに出場し、それから計5回走りました。2008年には優勝することもできました。

この頃から一気にトレイルランにのめり込んでいったわけですけれど、その理由は単純に山が好きだったから。高校時代もインターハイの練習で山を走っていたし、山を走ることは自分にとって、とても自然なことでした。

それまで練習では一人で走っていましたけれど、レースに出場すると大勢の仲間と一緒に走る喜びがある。長い距離を一緒に走っていると、同じペースで走る選手と話をしたくなるし、不思議な絆が生まれるんです。

たとえば、ハセツネ初出場のときにコース上で知り合った松永紘明さんとは、いまも仲が良いんですよ。ハセツネでは、走りながらずっと話をしていました。レースでしか会わないから、当時はまだ2回くらいしか会ったことなかったんだけれど、2007年の自分の結婚式にも招待したくらい(笑)。

それほど、トレイルランレースは人と人の絆を深めるものだと感じています。長距離を走ることは苦しいけれど、そこには他では得られない心地よさがあります。

もちろんレースに出場し始めた頃は、自分もいまより競技性を意識していたと思います。でも2006年、膝半月板を切除して走れない時期が1年ほどあり、そのときに意識が変わりました。

「勝ちたい」という気持ちだけでは、ベストパフォーマンスが生まれないことに気づいたんです。

続く

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